【ビタミンB1】
◆ビタミンB1とは
ビタミンB1 (Vitamin B1) は、チアミン (Thiamin, Thiamine)とも呼ばれ、ビタミンの中で水溶性ビタミンに分類される生理活性物質である。サイアミン、アノイリンとも呼ばれる。
日本では1910年に鈴木梅太郎がこの物質を米糠から抽出し、1912年にオリザニンと命名したことでも知られる。
脚気を予防する因子として発見された。
生体内では、各組織において各種酵素の補酵素として働く。
糖質および分岐脂肪酸の代謝に用いられ、不足すると脚気や神経炎などの症状を生じる。卵、乳、豆類に多く含有される。
◆ビタミンB1の特徴
・水溶性。
・加熱により可溶性が増す。
・アルコールに不溶。
・無色。
・アルカリ条件下で容易に分解。
・弱酸性条件下で安定。
◆ビタミンB1の一日の所要量
成人男子 1.1mg
成人女子 0.8mg
加えて、摂取エネルギー 1,000kcal あたり 0.35mg 必要とされる。
◆ビタミンB1を多く含む食品
・酵母
・肉類
・胚芽(こめぬかなど)
・豆類
・全穀パン
・牛乳
・緑黄色野菜
・日本人においては、摂取総量の半分を穀物から摂取しているといわれる。
◆ビタミンB1摂取時の注意
基本的に、調理における損失が多く、食品中に含まれる総量のうち半分から1/3は失われている。
水溶性なので、素材をあまり水にさらさないこと。
調理の際の煮汁、ゆで汁への流失が大きいので、これらを利用する調理法が良い。
アルカリ条件下において分解が進むので、調理の際重曹を利用するときは注意。
にんにくに含まれるアリシンと結合し、アリチアミンとなると吸収効率が向上する。
強度の労作や、消耗性疾患の罹患により要求量がかなり上昇するので注意すること。
脂質の摂取により、要求量が少し減少する。
体内での貯蔵量は非常に少ない。
◆ビタミンB1が欠乏すると
・脚気
・ウェルニッケ脳症
・多発性神経炎、神経痛、筋肉痛、関節痛、末梢神経炎
・浮腫
・心臓肥大、心筋代謝異常
慢性的に不足している条件では、神経系(脳を含む)におけるグルコース利用が困難になるため、
多発性神経炎症状が出やすくなるといわれる。
◆ビタミンB1を過剰にとると
長期間の多量投与における障害は、現在のところ知られていない。
過剰に摂取されたビタミンB18(チアミン)は速やかに尿中に排泄される。
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